かれこれ13年前、25歳の誕生日に会社にFAXが届いた。発信者名はTim Burton。通信欄に欠かれていたのが、「Happy Birthday. Live Thick, Not Shick」。広告代理店に勤める友人がつてをたどってメッセージを貰ってくれたらしかった。
Not Shick、と自分で言っておきながら彼の映像は相変わらず病的で肺炎を起こしそうでピアズレーに通じる暗さ - 優雅な腐敗の匂いがする。1点だけ違うとすれば、ティム・バートンの映画からは< スリーピー・ホロウを除けば>血のにおいがしないことだろう。
薄暗い映像の中で子供のように素直な登場人物たちが真っ正直に行動している。ストーリーの内容は重要ではない。むしろ添え物に過ぎない。こうした人物たちが笑い、泣き、頑張るさまを味わう点ではやはり、彼の映画はミュージカルなのだ、と思う。無条件にポジティブでオプティミスティックな。
だからこそ画像は暗くなければならない。登場人物は幽霊や蛆虫、貧乏貴族のあまり美しくない娘や成り金の惰弱な息子でなければならない。こうしたネガティブなステレオタイプが歌い、踊りながら発信するメッセージでなければ、フィクションを信じられなくなった大人には届かない。真正面から愛を語られるのは案外疲れるものだ。「ナイトメア…」よりも磨きがかかった人形アニメーションは秀逸。メイキング映像だけでも、職人技に充分感動できる。
誕生日に届いたFAXの送信元は日本の電話番号だった。どういうことだ??