Archive for 2006年7月

【レビュー】三国志演義

7月 18th, 2006

これは『水戸黄門+仮面ライダー+大河ドラマ』ですな。

一話20-30分程度で読めるエピソードが120話ほどで構成されている。一話中には必ず戦争か、謀略か、英雄の描写が入る。エピソードの最後には必ず、「〜はいったいどうなりますでしょうか、それは次回をお楽しみに」のフレーズで終わる。もう、明らかに”男なら誰でも楽しめる週末のエンタテイメント”なのだ。少年期であれば戦闘シーンや英雄の男気に酔うことが出来、青年であれば劉備、曹操、孫権の青雲の志を我が身に置き換えることも出来る。不惑を目の前にした私は戦略や人事について考えさせられる部分が多かった。

戦争は武力を使った国家の意思表現であるため、政治の決定力が重要である。この決定を受けて将軍や参謀は目標事項 - 特定の地域を占領したり、防衛したり、あるいは国家そのものを殲滅したり - を達成するべく努力する。文民統制はこのように機能するべきだが、魏、呉、蜀の三国が成立する前の後漢の政治はもう、メタメタである。「将軍が勝手なことするからみんなでやっつけてくれ」と命令を出しておいて、これが当の将軍にバレるとまったく正反対の命令を当の将軍に出してみたりする。ガバナンスが機能していないのは明白なのだが、その理由を考えると「過度の権限委譲」に行き当たり、これは情報および物資の流通が現代に比べるとむちゃくちゃに遅い3世紀ごろの中国だったら不可避の事項だ。逆に、政治レベルではそのようにしてバランスをとっていくのが効率の良いガバナンスだったのかもしれない。いちいち上に確認とらずに方針(儒教とか易経とか)通りにやっとけ!!という感じで「国中がマニュアル展開して硬直化」してるところへ「柔軟な対応をするスピーディーな戦闘集団」が来たら、そりゃぁ勝てねぇわ。

スターウォーズのような「勧善懲悪一騎打ち」を期待すると、裏切られる。ところどころ荒唐無稽な描写はあるものの、基本はリアルな歴史モノなので戦争は敵の弱点を冷静に突いたり、より上手に計略を組んだほうが勝つし、国家戦略の決定は常にドライである。ドライじゃないのは劉備元徳ぐらいだが、これが逆に無能に見えるのは私が世間ずれしすぎたからか。20万人VS3万人の戦争をやるときに、戦術によって衝突する戦力を1万VS1万5千にして意気をくじき、さらにロジスティクスを絶つことで19万の戦力を無効化する、などの発想は役に立つ。

なんだかんだと3週間かかって読了したのはやはり面白いからだ。おすすめ。

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【レビュー】ダ・ヴィンチ・コード

7月 6th, 2006

イスラム文化圏の友人が面白いよ、と言ってたので興味を引かれて一気読み。 うーん、中庸。

そもそもがこの小説のテーマは「ダ・ヴィンチが残した暗号」ではない。シオニズム(ユダヤ教)的なキリストの解釈=”キリストなんぞ、大工の息子でしょ?? まぁ、ソロモンの家系かも知んないけどさぁ??”に乗っかった宗教サスペンスとして読んだほうが妥当。なんだけど、トリックが陳腐でどうも煮え切らない。 なんで悪役が色素欠乏症なの?? ゴシック趣味?? と首をひねってしまう。

キーファクターとして扱われているマグダラのマリアについても、もう少し突っ込んだ解釈があれば知的興奮もあったと思える。 ”娼婦が実はキリストの妻であった”ことに現代の敬虔なキリスト教徒は衝撃を受けちゃったりするのだろうか?? そもそも新約の中でもマグダラのマリアは娼婦とされているわけではない(この辺のディテールはWikiPedeaの「マグダラのマリア」に詳しい)し、百歩譲って/既成概念に従って娼婦だとしても世界のほとんどの地域で娼婦は巫女を兼ねていたので、もともと「神の妻」であると言える。 これがショックなのだとしたら、中世の暗黒時代、人文復興、産業革命、新世界発見ときて、ものすごーく原理主義的になっちゃった在アメリカキリスト教会信徒がかわいそうになってくる。 もっかい人文復興しようぜ、おい。

フランス警察の警部が、最後まで敵なのか味方なのかがわからない構成はストーリーにテンションを与えている。

こうした辛口コメントになってしまうのは、私がウンベルト・エーコやトマス・ピンチョンあたりの濃厚なイコンばら撒きが大好きだからだ。「ポタージュ期待してたらコンソメが出てきた」的失望感があるのだろう。 イコニズムに馴染みがない人であれば、多分楽しく読めると思う。 うん、そうだ。 これ読んでからキリスト教会建築ツアーとかして、十字架の形とか、ステンドグラスの模様とか、天井のフレスコ画とかに込められたメッセージを想像するのはきっと楽しい思う。

ダ・ヴィンチ・コード(上)

スプリントの王様

7月 6th, 2006

うははははは。王様だぜ、まきゅまきゅ。

ゴール前300M。 めずらしくアシストに牽かれてするするっと上がるマキュワン。
あと200M。 ”ぶんっ”という音の聞こえそうな爆発的スプリント開始。
あと100M。 もう後続とは15mぐらいの差がついてる。マイヨジョーヌを着たボーネンも踏むが、縮まらない。
そして両手を挙げ、満面の笑みでゴールラインを切るマキュワン。

今日は充分いけると踏んだからこそ、いつもの”ゴール前150Mでいつの間にか現れる”忍者っぷりを発揮せず、アシストを使う勝ち方をしたのだろう。確かに誰も付いて来れなかった。ジロでの4勝といい、当面スプリントステージでは無敵ではないだろうか。

しかしなぁ…忍者な君が見たかったりもするんだよなぁ。

夜中ですよ、奥さん

7月 5th, 2006

今日は久しぶりに奥さんとデート。 ツールドフランスを見に、池袋のスポーツカフェへ午後11時から出陣。 で、帰ってきたら1時半。

本題はここから。

お風呂に入り、髪も乾かした奥さんがリビングに走りこんで来た。 いきなり僕に背中を向けたままでシュートやパスのジェスチャーを繰り返す。 『あら?? ドイツ対イタリアでも見たいのかしら??』と思っていた。
奥さん振り返る。
口元に、どこから調達したのやら【出っ歯キット】がはまっている。

こらえきれず爆笑。

そうか、ロナウジーニョのつもりだったんだね。

でも夜中の1時半だからもう寝なきゃね、奥さん。