ニュルンベルグのマイスタージンガー

4月 22nd, 2007 by tsuyoshi Leave a reply »

Die Meistersinger von Nürnberg、と書くのだそうだ。Meister = 親方、Singer = 歌手で「ニュルンベルグの親方歌手」ということになる。
「マイスタージンガー」とはヒーローの名前だと思っていたのだが、まったく違っていた。
どうやら靴職人で歌の好きなハンス・ザックスという人がいてこの人をモデルとして書かれたオペラのようだ。書いたのはワーグナー。
ワーグナーのドイツ人大好き気質が、彼らの誇る職人技と芸術性を兼ね備えたハンス・ザックスがテーマのオペラを書かせたんだろうね。

ニュルンベルグでは職人の親方が歌を極めるのが同時平行で行われ、両方を兼ね備えなきゃ野暮だったらしい。オペラによれば歌学校に通い、厳格な韻律規則や定型的な旋律を学び、なおかつ自身の創造性を”付け加えていく”のがマイスタージンガーたちの歌唱法だそうだ。なるほど、そのような音楽作法であれば繰り返し作業の中で技を磨いていく職人仕事との共通点が多いので親方たちも楽しく音楽ができたんだろう。
対して、19世紀の音楽家であるリヒャルト・ワーグナーは本作のヤング・ヒーローである騎士により自由な形式でのラブ・ソングを第1幕で歌わせ、ハンス・ザックスに「新しい形式の音楽を批評するのならば新しいルールが必要だ」として、(ワグナーの時代にもまだまだ残っていた、)因襲的な音楽作曲手法に疑問を覗かせている。そうした「あてつけ」は登場人物にも反映されているようで、騎士のラブ・ソングの対象であるヒロインを取り合う悪役のモデルは、ワーグナーに批判的な批評家であるとのこと。

そのようなわき道もありつつも、基本は楽しいラブ・コメディである。ドイツ人が書いたオペラらしく、まじめになりすぎるところもあるけど。
第2幕で悪役がセレナーデ -恋人の窓の下で歌うラブソング- をしつこく邪魔されるところとか、なかなか楽しい。

NHKでのメトロポリタン歌劇団の公演を見つつ - でも4時間半はなげぇなぁ!! 歌手の人は歌いっぱなしで大変だ。

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