Archive for 2008年1月

ミトコンドリア・イブ

1月 1st, 2008

正月から風邪を引いて家に篭もっており、しょうがないのでテレビを見ている。
Discovery Channelの「イブの遺伝子」である。「全人類のミトコンドリアDNAをたどると、15万年前にアフリカにいた一人の女性にたどり着く」という科学上の発見を出発点として以下に人類が地球上に拡がっていったかを描くドキュメンタリーだ。

「15万年前にアフリカにいた女性にたどり着く」ということは「全人類がその女性から始まった」ことは意味しないそうだ。
ミトコンドリアは母親からしか遺伝しないため、必然的に淘汰されていくのだという。わかりやすくするために単純化してみよう。

まず男女それぞれ600人、300組のカップルがいて(第1世代とする)、ミトコンドリアDNAは全員違うものを持っているとしよう。つまり第1世代ではミトコンドリアは600パターンある。
第1世代が2人づつ子供を作る。すると、父親のミトコンドリアDNAは廃棄されるので、第1世代の子供である第二世代でのミトコンドリアDNAはすでに300パターンに減っている。
第1世代が作った「2人づつの子供」がすべてのカップルにおいて男女一人づつであれば、300種類のミトコンドリアDNAのパターンは次の世代に受け継がれるが男が二人生まれてしまったカップルのミトコンドリアDNAは、次の世代で失われる。第2世代で男しか生まれなかったカップルが10組いるとなれば、第3世代にはミトコンドリアDNAパターンは290しか受け継がれないということになる。
男だけが生まれるカップルがどれぐらいの確立なのかは知らないが、この様にしてミトコンドリアDNAのパターンは減っていく、ということだ。

ただし、突然変異が周期的に起きるためにこれがラベルとなって”系統樹”を書くコトができ、それによって人類が移動していった経路を描いていた。出発点のアフリカからイエメン、中東を通ってヨーロッパへ、アジアへと拡がっていく様子を見ていると人類の何とタフなことかと驚いたが、実際にはそれほど簡単には行っていないらしい。
各地の遺跡などから出土している骨などを調べるとDNA系列がそこで終わっているグループ、つまり「新しい土地へチャレンジしてみたけどあっけなく全滅しちゃったグループ」というのがゴロゴロいるらしい。

なるほど、人類その当時からチャレンジャーであったかと納得させられた。
諦めの悪いご先祖さまに感謝しつつ、コタツに埋まる元旦である。