虎よ、虎よ! アルフレッド・ベスター

3月 9th, 2008 by tsuyoshi Leave a reply »

何か最近、読書録しかつけてない。精神生活にLIVE感がないということかも…対応せねばいかんな。

で。この本。SFの中では古典として確立されているようなのだが、どうもいけない。
テレポーテーションが当たり前になった世界で、宇宙で遭難していたのを見捨てられた主人公が見捨てた船を探し出して復讐するという筋のなかでテレポーテーションが必要な理由が、見当たらない。必然性が、ない。
主人公の怒りの情念がマオリ族の入れ墨に重ね合わされ、感情の高まりとともに虎の文様となって浮かび上がるさまはドラマチックではあるけれど、テクノロジーの夢想や着想がまずあり、ストーリーをあとから加えたような感じがする。

戦争や政治、社会力学などについての洞察、理論的な裏付けはきちんと整理されていて読んでいて破綻を感じさせない。ドラマにきちんとした背骨を与えている。とか思っていたら、これは1956年の発表だそうだ。冷戦が始まったばかりのリアティがたしかに、反映されている。

中途半端な感じを持ちながらもとにかく一気に読了したのは、なにか響くものがあったからだと思う。一旦おいて、再読したらなぜこの本が「SF不朽の名作」と銘打たれ、大友克洋氏が絶賛しているのかがわかるかもしれない。

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