戦略という言葉が軽く使われていて頭にくるというエントリを以前書いたのだけれど、もう少し触れておく。
本来、まずは目標があるはずだ。
- いくら売り上げます
- この分野でビジネスを開拓します
- その結果、皆さんにこういうバリューを提供します。
っていうようなね。もう一段上のレベルは「企業理念」ということになるけど「明日の技術を素材で拓く」とか「持続可能な世界を太陽光で実現する」とかだとブレイクダウンできないので、事業目標としてどのぐらい、というのがまずはある。
もちろん、これはいきなり出現するものではなくて現状調査/マーケティングリサーチ/営業部隊からのフィードバックを検討し、実際どの程度なら、どういう方法論を持って行き着けるかによって裏打ちされている。
このようであるので目標があるときには既にある程度の方法論、つまり戦略が存在している。
ただこの時点では多分に推測や予測をベースにしていて、実際に展開したときには現実との齟齬が大きいものでもある。
ということで、戦略を構築することになる。
目標を達成するためにはどの方法が一番良いのか、同時に計画の進行に沿って方法を見直すにはどのような価値軸を組織内に持っておくべきなのか、だれがどの部分を展開できるのか、新たに調達するべきリソースは無いのかなど、実施に必要な要素を組み立てておくのが戦略の構築だ。
このようにして組み立てられた戦略は目標に集中しているため、実施効率がとても高い。
逆に、手段に集中して構築された戦略は現実との齟齬を吸収できる要素を持たないために柔軟性にかけ、実施効率が低い。
『製麺機があるからスパゲッティを作って売ろう!!』という戦略は弱く、『いまは乾麺を使っているけれど生麺を食べたいというお客様が多いから製麺機を入れて新しいメニューを展開しよう』という戦略が強い。
このように単純化すると「なぁんだ、そんなことか」ということになるけれど、手段を目標や強みと勘違いすることが特に技術畑の方にはとても多いように思われる。
戦略とは目標を達成するための最適な手段の組み合わせであって、手段そのものではないのだ。組み合わせが最適であって初めて戦略として機能する。そうではないものは組織力学の慣性か、惰性である。
だからさ、糞を味噌だって言い張ってプランを組み立てるのはもうやめようよ。
糞は糞で売ったほうが効率よく金になるんだから。
まいど、コメントをありがとうございます。
コトラーという人が「営業と販売は違うんだぜ」と言ってますが「眼前にあるものをいかに売るか」は販売の範疇にある行為だと思います。
もちろん〇ッグカメラとかラ〇ォーレさんとかではそういう態度が非常に重要だし、そういう「現場の販売員に大量の情報や値引き権限を与えて大量仕入れをした商品を高回転で売りまくる」という戦略もとても有効です。私もコンシューマ向けパッケージソフトをやっていたときはそういう手法をとっていました。ここではインサイトを汲み取るよりも、いかにより当該製品に好意的なインサイトをマーケティング活動によって形成するかがポイントになってきます。
が、ソリューションを提供しているのであれば「販売員」がフロントにいるのは害悪にしかなりません。相手のみになった提案が出来なければ”御用聞き”になるしかないしそれは価値を生みませんからね。
ということでご苦労お察し申し上げたりします。
> 手段を目標や強みと勘違いすることが特に技術畑の方にはとても多い
営業の人間にも多かったりするので頭痛いです。いま眼前にあるものをいかに売るかを営業の美徳と思っている人だと、こういうところにハマるようで。マーケットインとかインサイトなど色んな言葉で語られることですが、現実に即した戦略を立てて、その上で今あるものを使うも良し、新しいリソースや仕組みを作るも良しですよね。お話読んでいて、嬉しくなってしまいました。