謎の生物のようですが、うちの奥さんです。
布団カバーに閉じ込められて喜んでおります。
謎の生物のようですが、うちの奥さんです。
布団カバーに閉じ込められて喜んでおります。
今日は選挙である。
「民主党が勝つらしいよ」
と奥さんに告げると、
「なんで終わってないのにそんなことがわかるの?
ひょっとして、出前調査って奴?
判った! 手前味噌だ!」とのたまう。
出前調査…悪いアイデアではない。
「来来軒でーす。ところでお宅は自民党?民主党?」
手前味噌は、ある種の核心を突いているだろう。
友人の結婚式で久しぶりに一眼レフをひっぱり出して写真を撮り、フォトスタンドを作ってあげることにした奥さん。
式は花嫁さんが式の途中で気分が悪くなるアクシデントをはさみつつも、オーセンティックなキリスト教会で和やかに終了。
写真が現像されてきて、フォトスタンド作りも和やかに終了。花嫁さんは美人だし、花婿は人生の年輪を響かせてなかなかよろしい。
奥さんはフォトスタンドに添えるメッセージを書き出す。
「ねぇ、一眼レフってこんな字だっけ?」
と聞かれて見にいくと、そこに書かれていたのは
「一眠レフ」
惜しい。もうすこしなんだけどな。
ちなみに、奥さんには「戦場の娘たち」という前科もある。
ここ3年ほど、僕と奥さんはシェイプアップに努めている。
僕は極めて怠け者なので今ひとつ効果が出ていないのだが、奥さんは毎週末のバレエ・レッスンもあいまって「イイカラダ」になっている。肩とか上腕2頭筋とか、くっきりと筋肉のラインが出てなかなか良い感じである。
そんな奥さんと、池袋はサンシャイン60の若者向けアーケードを歩いていた。
お嬢さん向けのブラジャーが2,000円ほどで売っている。
「安いんだね」と僕。
「小娘どもはぷりんぷりんだから、安いのでもキープできるのよ。」と奥さん。
ならば“イイカラダ”になっている奥さんならば2,000円のブラでも良いのでは、と提案してみた。
するとすかさず奥さん、
「ダメよ!! 乳が許してもあたしのプライドが許さない!!」と来たもんだ。
そうかぁ。乳は許すんだ。
奥さんはセミとゴキブリが苦手である。
セミが死にはじめる9月の頭にでもなろうものなら、道端に転がっている死んだセミたちが奥さんをビビらせる。
セミが奥さんめがけて飛んでこようものなら、もう涙目である。
我が家でたった一度、ゴキブリが出たときにはちょうど僕は外出していて奥さんは一人で「敵」と戦ったのだが、なんとか掃除機に吸い込むまでが精一杯だったらしい。僕が帰宅した時には「敵」の吸い込まれた掃除機は「敵」の脱走を防ぐためにビニール袋に包まれ、ベランダに出されていた。
そんな奥さんは「セミとゴキブリって似てるよね」とのたまう。
いやいや、あいつらは結構違うぞ。君が嫌いって事だけで似ていることにしちゃダメだよ、奥さん。
うちの奥さんは、どうもだらしないところがある。
洗面台、キッチン、サイドボードの引き出し。
大体、1cmぐらいづつ開いている。
これらを閉めてまわるのは、まぁ良い。
少し困るのは、トイレの照明だ。
おやすみなさいを言い、布団にもぐって気持ちよくなってきたあたりで奥さんが僕を呼ぶ。
「ねぇ、トイレの電気がついてるの」
いや、つけたのは君だ。
そして、消さなかったのも君だ。
なぜ、自然についたかのように僕を呼ぶのだ。消してくれば良いではないか。
「あのね、トイレの電気がついてるの」
くそぉ。わかったよ。消してくれば良いんだろう。
かくして寝入りばなの気持ちいいところから僕は呼び戻され、電気を消すのだ。
これが2日ほど続くと、奥さんは僕をいじめているのではないかとさえ思ってしまうのだが、彼女にはなんの悪気もないらしい。
さすが、僕の奥さんである。
ツール・ド・フランスを見ていて、ゴール前になると奥さんがテレビに手をかざして呪文をかける。
「転べ転べ転べ〜〜〜〜〜」
すると、選手が転ぶ。
いま、奥さんの会社の人がニューヨークに出張に行っている。
奥さんは東を向いて呪文をかけてる。
むむむ。殺しちゃダメだよ,奥さん。
本日は奥さんの体調が優れない。
友人と夕食をとってくるはずだったのが少しお話しただけで帰って来たらしい。
帰宅してすぐにパジャマに着替えてベッドに潜り込む奥さん。胃の具合いがよくないらしくきもちわるいと訴える。
「ねぇ、あたし、はしかかも。」
ここで奥さんの魂がスパーク。
「むむ?! はしか? あしか? あたし、あしかかも。あぉあぉっ!! ……… げふっ。きもちわるい…..」
確かにボケ倒しはきみの持ち味だが、命を削ってボケるのはおよしなさい。
今日は日曜日。
風邪を引いた奥さんを残して、僕は用があって駅前へ出かけた。帰ってきたら、奥さんはケーブルテレビで映画を見てる。
ジャン・クロード・バンダム主演の「戦場の狼たち」。
「ねぇ、これ『戦場の娘たち』なのに娘が出ないんだよ。」
娘と狼。
んー。確かにねぇ。